ポンピングとは

ポンピングとはどういう操作?

パラグライダーを楽しむ上で操作についていろいろな言葉を覚える必要があります。
専門用語も多いのでしっかり覚えて快適な操作ができるようにしておくべきです。
様々な用語がありますが、ポンピングという言葉があります。

これはパラグライダーの機体の潰れを回復させる操作を指しますが、パラグライダーの歴史が始まってからしばらく、潰れからの回復について考え方が違っていたため昔のポンピングと現代のポンピングは操作に違いがあるのです。
昔の考えからポンピングと名付けられた操作なので、言葉が持っている意味と現在のポンピング操作は違いがあります。

今と昔・・ポンピングの考え方が違う

パラグライダーの歴史が始まったころ、機体の潰れを回復させるためには機体に流れる空気を潰れているセル側に送り込むことが必要と考えられていました。
ブレークコードを引いたり逆に戻すことにより空気を送り込むようにして潰れを直すと考えていたため、ポンピングという名称がついたわけです。

ポンプのような作用を利用して素早く大きく引く・戻すという動作を繰り返せば潰れを直す効果も大きくなるはずですが、この方法では潰れの回復につながりません。
実際には片翼が潰れた場合、正の風圧分布を作る必要があるため、アタックアングルを大きくする必要があります。
ポンプによって潰れを直すためにブレークコードを引き続けると失速するため、ポンピングというよりも潰れている個所にピッチングの操作が必要となるのです。

本当は片翼ピッチング?

翼の潰れが起きた時にブレーク操作を行って一度で戻らない場合には、翼の振り子運動のタイミングで、アタックアングルが最も大きくなるようにブレークコードを引くことが必要です。
それでも翼の潰れが回復しないというときには、再度同じタイミングでブレークコードを引く必要があります。

ブレークコードを引いているとき、逆の潰れていない翼は飛行を維持するためのブレークを行うため、こうした操作を見ればポンピングというよりも片翼ピッチングという名称のほうがより分かりやすいでしょう。
しかし古くから機体の潰れを回復させる操作についてポンピングと言ってきた歴史があるため、操作方法やとらえる意味が違っているとわかっている現代でもこの操作はポンピングと呼ばれるのです。

初心者の方にとってはポンピングという単語の意味を考えてしまうので、やっていることが違う?と混乱してしまうこともあります。
すでに定着してしまっている言葉とはいえ紛らわしい言葉ともいえるので、どのような操作を行うことなのか、どんな目的で行うのか、本当の意味と目的を初心者の方はしっかり熟知することが必要です。