バリオメーター

自分の位置を導き出すために

パラグライダーのように、空を飛んでいる場合、客観的事実に気が付きにくいという状況があります。
地上にいるときには、常に対象とするものがあるため、現在位置や速度を体感的に判断することができますが、空中のように対象物が存在しない場合には、この感覚が鈍ります。
空中の事故では、この感覚の喪失によって起きる可能性があり、客観的な判断材料を得られるようにすることが大切なこととなっているのです。

高度の問題を解決するためには、いまどんな状況なのか、降下しているのか上昇しているのか、それはどんな速度なのかを計測する必要があるでしょう。
ですが、車などとは違い、人間には計器があるわけではありません。
そこで対応してくれるのが、バリオメーターなのです。

バリオメーターの機能は?

気圧の計測で、パイロットの現在位置を割り出すことができる葉理央メーターは、本来昇降計という意味があります。
高度は測定できず、あくまでも昇降に関する速度を計測するに限定さえていたのです。
これでは、計器を増やさざるを得ないため、現在では高度計も兼ねているものが販売されているのです。

機能としては、上昇か降下かを知らせる音が出るようになっており、それをグラフ化して知らせてくれるようになっています。
1秒当たりどれぐらいの位置変化を知ることができ、自分の位置情報を正確に把握することができるのです。
この結果、安全性も確保することができますし、何かあった場合に記録が取れるため、状況の説明が成り立つようになっているのです。

バリオメーターがなぜ必要か

こんな機能はいらないのではないかと考える人もいます。
人間は重力を感じることができ、上昇しているか下降しているかは、体感で判断できるということです。
さらに、高度をそこまで上げるわけではないパラグライダーでは、ここまで細かな情報を役に立てることはないのではないかという意見であるともいえるでしょう。

人間の体は、重力を感じることができますが、これはあくまでも瞬間的な違いを範田数しているにすぎません。
等速度で移動を始めた場合、体に変化が一定になってしまい、重力を判断することができなくなってしまいます。

細かな情報はいらないのではないかということですが、普段のフライトではそうでしょう。
しかし、仮に事故にあってしまった場合には、その状況を説明することが求められます。
事故の原因を追究するためには、必要になる事項といえるでしょう。

その場合に、位置情報をどうやって正確に証明するかは、事故原因の追求の重要観点ともいえます。
つまり、保険を適用していくとしても、その原因がはっきりしなければ、過失割合を決めることができないからなのです。
そのためにバリオメーターがあれば、記録を残しておくことができるため、証明の一つとしてパイロットを守ってくれる可能性が出てくるといえるでしょう。

価格として安いものではありません。
ですが、様々なリスクから守ってくれるということを考えた場合、バリオメーターは必需品であるといえるでしょう。